• PCで認識しなくなったSSDを格安修理してデータを救出してみた。

    普段使用しているノートパソコンはSSDに換装していますが、SSDの故障に遭遇してしまいました。
    機器は壊れても問題ありませんが、貴重なデータだけは救いたい。という訳でDIYでSSDを格安修理した方法を紹介します。

    それはある日突然訪れました。。。
    いつものようにPCの電源を投入すると、見慣れないメッセージ。

    「Insert system disk in drive. Press any key when ready…」
    システムディスクをセットして任意のキーを押すように要求されました。
    つまり、SSD自体がPCに認識されなくなり、起動ディスク用要求されているという状態です。
    これは非常に悪い状態で、起動はおろか、スキャンディスクすらできない状況。。。

    ひとまず、PCの電源を切ってSSDをチェックしてみることにしました。
    搭載されていたのはcrucial製のSSDであるM4シリーズでした。
    このモデルは元々不具合を抱えており、採用各メーカーより「ファームウェア更新の案内」が出されています。
    しかし、認識しなくなった今、そんなことは関係ありません。

    PC本体よりSSDを取り出してみました。
    crucial M4 SOLID STATE DRIVEのステッカーが鮮やかですね。

    少しPCに詳しい人なら持っているであろう、「SATA-USB3.0変換アダプタ」を用いてSSDの状態をチェックしてみましょう。

    PC起動時のBIOSで認識しないという状況なので、ある程度は予測できましたが、USB接続した状態でも認識しませんでした。

    念のために「HDD LOW LEVEL FORMAT TOOL 4.40」でもチェックしてみます。
    しかしながら、USB接続したCrucial製のSSDは表示されません。

    この段階で故障という事が確定したので、以前にMicroSDカードの復旧でお世話になった「http://www.anydata.jp/」さんのページをチェックしてみました。
    価格は128GBで136,000円です。今回故障したものは512GBなので単純計算で136,000円×4倍=544,000円。。。
    ちょっと悩んでしまう価格ですよね(^^;

    今回はデータの価値と価格を比較して、DIYによる修理をチャレンジしてみることにしました。
    物理障害であればデータフォーマット等の専門知識も不要なので何とかなりそうです。と簡単に考えながらスタート(^^

    Crucial製M4-SSDはプラスタイプのビスで固定されているので、一般的な精密ドライバーで簡単に分解することが可能です。

    Crucial製M4-SSDを固定しているビスを4本外しました。

    Crucial製M4-SSDを慎重に分解します。
    放熱板を兼ねたアルミ製のベース部分と、樹脂スペーサー、フタの3個に分離できました。

    Crucial製M4-SSDのベース部分はアルミ製で基板が装着されています。
    放熱ゲル等の存在があるのでしょうか、なかなか強力に張り付いていて取り外しできません。
    隙間に精密ESDピンセットを差し込んで徐々に隙間を広げていきます。

    パカッと開きました。想像通りブルーの放熱ゲルでしっかりと密着していました。
    一気に力を入れると基板を痛めてしまう恐れがあるので、慎重に作業しましょう。

    Crucial製M4-SSDの内部基板です。こちらは表面なのでコントローラチップが乗っていますね。
    コントローラチップはMarvell製の「88SS9187」です。
    SATAは6Gbps対応でNANDとの通信はONFI2.0でMode5に対応。またDDR2/3-800のキャッシュにも対応します。
    コマンド体系ではTRIMコマンドにも対応しており、現時点においても実用的なパフォーマンスを発揮します。

    Crucial製M4-SSDの内部基板です。
    これは512GBモデルという事もあり裏面にもNANDチップがぎっしりとフル実装されています。

    Crucial製M4-SSDのSATAコネクタ部分です。
    基礎的な点検としては接触不良を疑うのは基本中の基本です。まずは、半田状態をしっかりとチェック。
    この部分では半田クラックや基板のパターン浮き、ウィスカ等の発生も確認できません。正常といってよい状況です。

    SATAコネクタを補強するプレート部分には基板のパターン剥離が見受けられましたが、今回の故障とは関係ありません。
    Crucial製M4-SSDでは非常に小さなパターンに対して固定されていますが、強度が必要であればもう少し大きなベタパターンが適切ではないでしょうか。

    続いて電源周りのチップを確認してみましょう。
    外観目視では燃えたチップ等も見当たらず、匂いも正常です。

    Crucial製M4-SSDを基板単体で再テストしてみます。
    各部の電圧チェックや異常発熱などを見つけるのが目的です。
    この状態では放熱ゲル等もありませんので、長時間の通電は故障を拡大させる恐れがあります。短時間で済ませるようにしましょう。

    色々と試した結果、故障個所を特定しました。
    写真のようにコントローラチップを洗濯バサミで挟むと一瞬認識することが分かりました。
    Crucial製M4-SSDではコントローラー部に放熱ゲルが仕込んでありましたが、その部分の半田不良が発生しているようです。
    発熱が多いBGAタイプの部品は熱膨張率の違いから半田不良が発生しやすいんですよね。

    故障個所が判明すれば、あとは修理するだけです。
    今回のコントローラチップはBGAタイプのパッケージです。
    BGAとは(Ball Grid Array/ボールグリッドアレイ)の略称で現代の電子機器では一般的なモノです。
    しかしながら半田面が見えているわけではないので、修理には特殊な工法が必要となります。

    一般的には半田コテなどが有名ですが、今回はヒートガンを利用して半田修正します。

    この作業に欠かせないのは、ヒートガンと共に使用する薬品であるフラックスです。
    これは一度硬化した半田に塗布して再加熱することで半田自体の表面張力をさげたり、酸化被膜を除去する効果があります。
    フラックス無しでは絶対に失敗しますので、忘れずに準備するようにしてください。


    まずはCrucial製M4-SSDの基板を縦向けにセットします。
    私はSATAコネクタ側を下向けにしました。

    そしてフラックスをハケにとり、コントローラチップの隙間に流し込んでいきます。

    フラックスは流動性の高い液体なので、このように少しずつ塗布していきます。

    別の角度から。このようにハケを寝かせてと塗布するのも良いかもしれませんね。
    周辺の部品やチップサイズなどに応じて塗布しましょう。

    何度か塗布して、この写真のように4隅からフラックスが溢れ出てきたところで塗布作業は終了です。
    続いてヒートガンによる加熱作業に入りましょう。

    加熱時は基板を起こして水平にしましょう。
    立て向けたままだと、半田が解けた際にチップがはがれたりズレたりする可能性があります。

    そしてヒートガンでチップを加熱してリフロー工法で半田を溶かします。
    温度プロファイルについては周辺パーツやチップサイズなどで変化しますが、私はフラックスの乾燥状態などを見ながら勘でやりました。
    ヒートガンの温度は300℃程度でしょうか。

    再溶融が完了するとこのようにフラックスが乾燥して色が変わります。
    チップが冷えるのを待ってテストに備えましょう。
    この際、保冷材や冷風等で一気に冷却すると熱収縮の違いで半田が割れてしまうので、焦る気持ちを抑えてゆっくり待つようにしましょう。

    修理が完了したCrucial製M4-SSDをUSBで接続してみました。無事ドライブが認識されました(^^

    念のために「HDD LOW LEVEL FORMAT TOOL 4.40」でもチェックしてみます。
    先ほどとは違い、M4-CT512 M4SSD2がしっかりと認識されています。修理完了ですね☆

    まだSSDがバラバラの状態なので、放熱等を考慮して元通りに戻してからデータ復旧作業を行うようにしましょう。

    分解したSSDを元に戻して、SSDのデータをチェックしてみました。
    するとすべてのデータは正常となっており、救出に成功しました。

    また前半で不具合のあるSSDと書いていましたが、現在は対策ファームウェアが公開されているので、それを適用しておきましょう。
    手順についてはドスパラのページでも紹介されていますので、参考までにリンクを貼っておきます。
    Crucial SSD M4シリーズ 不具合対処方法

    今回のSSDは M4-CT512M4SSD2 で ファームウェアは 000F となっています。

    最新版を適用することで、000F → 070Hにバージョンアップすることが出来ました。

    データバックアップを取った後なので、もう故障は怖くありません。
    PCに接続して起動させてみるテストも無事にクリアし、正常な状態として再び利用が可能となりました。

    いかがだったでしょうか?
    SSDは振動や衝撃に強いという事が広まった感はありますが、HDDと比較した場合の信頼性については??
    絶対故障しないという魔法のデバイスではありませんので、普段からバックアップを心掛けるようにしましょう。


  • PRN3D EVOLUTION KIT 拡張コントローラを買ってみた。

    久しぶりの3Dプリンタネタです。今も依然組み立てたマイクロファクトリー製PRN3Dを使っていますが、スタンドアローン動作が可能になるエボリューションキットというものが追加発売されたので購入してみました。

    オンラインで注文して数日で到着したパッケージ。早速開封してみましょう。

    開封すると伝票が入っていました。
    価格は約2万円ほど、そこそこのお値段ですがメーカー純正のキットという事で安心して使えることを考えると妥当な価格でしょうか。

    外箱を開封してみました。中にはさらに段ボール箱がはいっており、その他には樹脂成型パーツやケーブル類などが入っています。
    順番にチェックしていきましょう。

    まずはビス類の入った袋とリストです。

    このように個別に梱包されているので、組み立て時に間違って使う事もありませんね。
    ちょっとしたことですが、うれしい配慮です(^^

    続いて樹脂成型パーツです。
    PRN3Dで作られたもので、精度はそれなりです。
    データも公開されているので、オリジナルでカスタムしながら作り直せば大丈夫ですね。

    まだ説明書などはチェックしていませんが、完成イメージはこんな感じでしょうか。

    LCDパネル部分にはMICRO FACTORYのロゴも入っています。
    ここは、mazu-bunkai.com仕様に変更しようかなとも考えています♪

    樹脂ケースの裏側です。
    基板やLCDパネルが収まるように工夫された形状になっています。

    段ボール箱の中にはコントローラ基板が格納されていました。

    そしてもう一つはLCDパネル付きの基板セットです。

    既存のPRN3Dに組み込むための各種ケーブル類も付属しており、簡単に装着できそうですね。

    まずはコントローラ基板からチェックしてみましょう。
    すでにモータードライバも実装された状態となっていますね。

    まずはコントローラ基板の裏面です。
    特に部品は実装されておらず、MKS Makerbaseのロゴが印字されています。

    ではコントローラ基板の表面をチェックしてみましょう。
    ここでは撮影のためにコントローラ基板からモータドライバを取り外しています。
    基板型式は「MKS Gen_L V1.0」となっています。
    モータードライブ回路は計5回路実装されており、エクストルーダー系が2系統コントロール出来るようです。

    搭載チップはATMEL製のATMEGA2560です。
    256KBフラッシュ搭載で16BitPWMが12chとコントローラ基板にははぴったりですね。

    ヒーター系の駆動には40N03 FETを搭載しています。
    最大40Aまで対応したチップなので容量的には安心ですね。

    コントローラ基板から取り外したモータードライバです。
    X軸、Y軸、Z軸、エクストルーダーと4系統装備されています。

    モータードライバはMKS 8825 Ver1.1を搭載。
    標準搭載のDRV8816からDRV8825に変更となりますので、動作音にも変化が出そうですね(^^

    つづいてLCDパネル付きの基板です。
    バックライト付きの液晶パネル基板と、赤い基板がセットになっています。

    赤い基板にはRepRapDiscount Full Graphic Smart Controllerと記載されています。

    赤い基板にはマイクロスイッチ、圧電スピーカー、ロータリーエンコーダが装備されています。

    LCDパネル付きの基板の裏面を見てみましょう。
    コントローラ基板に接続される黒いコネクタが2個とSDカードスロットが装備されています。

    樹脂パーツに装着して装着イメージを確認してみましょう。
    専用設計のパーツという事もあり、ぴったり収まって良い感じですね☆

    すべて組み上げてみると中々良い感じですね♪
    PRN3D自体も様々なカスタムを行っているので、そのまま装着は出来ませんがそこも含めて楽しんでみたいと思います。


  • エネループ急速充電器 NC-TGR01を購入してみた

    エネループ充電池はブログの撮影でも必須アイテムです。用途はストロボ用なのですが、本ブログはCactusV6 llによる多灯撮影で最低20本が必要になります。
    そうなると効率よい撮影のためには、充電池の本数を構えておくことは当然ながら、充電速度も非常に重要になってきます。
    そこで充電電流に着目してエネループ急速充電器 NC-TGR01を選んでみました。

    普段の撮影で利用しているストロボ。
    Nikon SB-5000 2灯、Nikon SB-700 1灯をベースにCactusV6 llで制御しています。
    この組み合わせで単3型が20本必要になります(^^

    今回購入したエネループ急速充電器 NC-TGR01です。
    すでに廃盤となっていますが、メルカリ等で格安出品されているので、まだまだ入手可能です。

    過去に様々な充電器を購入して比較してきましたが、やはりパルス充電の高電流タイプがお気に入り♪
    このタイプだと若干お疲れ気味のバッテリーでも元気を取り戻すことがあったり、なかなかの働きを見せてくれます。

    エネループ急速充電器 NC-TGR01です。
    どちらも1000円以下でゲットしました(^^)

    エネループ急速充電器 NC-TGR01のスペックを見てみましょう。
    着目すべき充電電流は以下の通り。
    単3形 560mA × 4 / 1120mA × 2 / 1680mA × 1
    単4形 280mA × 4 / 560mA × 2 / 840mA × 1
    つまり本数が少ないほど大電流を供給できる仕様となっています。

    こちらはまず分解。お気に入りのテクノコアインターナショナル製 TC-S40Nですが、オークション等を含めてもはや入手不可能な伝説の機種。
    充電電流は3500mAにも及ぶハイパワーです。これはエネループ急速充電器 NC-TGR01の2倍以上のスペックです。

    今回はエネループ急速充電器 NC-TGR01を分解調査してみましょう。

    エネループ急速充電器 NC-TGR01のビスはいじり止め付のトルクスタイプ。
    T9サイズのドライバーが適合します。

    ビスは3本だけ。簡単に外すことが出来ました。

    ビスを外すと3つのパーツに分かれました。
    ボトムカバー、メイン基板、トップカバーです。

    メイン基板を見てみましょう。
    表面はスイッチングトランスやコンデンサ、電極端子などが目立ちますね。

    電極の中間に装備されている黒い部品はLEDです。
    ボディを透過して充電状況を表示してくれます。

    緑色のシルクTH201に装着されているのは温度センサーです。
    センサーは2個だけ、電池2本ごとに温度監視しているようですね。

    では電源周りを見てみましょう。
    ショットキーバリアダイオードには「PEC」の「SB840F」を搭載。
    40V 8Aのスペックです。

    コンデンサには「MAN YUE TECHNOLOGY HOLDINGS LIMITED」の「SAMXON」を採用。

    スイッチング制御用のICには「Panasonic」の「MIP2F30MTSCF」を搭載。

    裏面はチップ部品が多数搭載されています。

    型番からは詳細がわかりませんでしたが、カスタムチップでしょうか。

    ちなみに4本個別充電制御となっている証として、充電回路が4回路構成されていました。

    製造時期違いで2台を分解してみましたが、基本的な構成は全く同じです。

    表面も同様に変化はありませんでした。

    今のところ急速充電可能なものとしては、4台の充電器を確保することが出来ました。

    エネループ充電器は様々な型式の物が存在していますが、購入の際には充電電流に着目してみてはいかがでしょうか?
    特に大容量のエネループプロなどを利用する場合、充電時間に大きな差がでますよ☆