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ポータブル電源 Anker power houseを修理してみた

DIY

Gigazine読者プレゼントで頂いた、Anker power houseです。
当初は問題ありませんでしたが、利用を続けるうちに充電しないことが多くなり、ポータブル電源としての信頼性が確保できない状況となりました。
プレゼントで頂いた製品という事もあり、保証などはありませんので自己修理をしてみる事に。

調子が悪いときはACアダプタを接続してもDC INのLEDが点灯しません。
おそらくは接触不良の類だと推測されますが、まずは分解してみましょう。

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ボディ外装を分解する

この手の機器はゴム足の裏にビスが隠されていることが多いです。
本体を裏返してみると4個のゴム足が取り付けされています。

ゴム足は接着剤のようなもので固定されているので、ゴムの部分を破損させないように慎重に剥がしましょう。

若干の糊残りは発生しましたが、ゴム足の奥からビスが出現しました。

ビス自体は一般的なプラスビスなので取り外しは容易です。

4カ所のビスを取り外しました。

続いて側面にある4カ所のビスを外します。

こちらもゴム足の部分と同様のビスでしたので、取り外しは容易ですね。

左右両サイドにビスがあるので、それらをすべて取り外します。

計12カ所のビスが外せたら、本体の背面を見てみましょう。
ビスを取り外すと背面カバーが取り外しできる状態となります。

背面カバーは強固なツメで固定されていますので、このような解体工具を利用する必要があります。
精密なマイナスドライバー等も有効ですが、内部の基板やバッテリーに接触すると発火等の危険がありますので、可能であれば樹脂製の絶縁工具を利用しましょう。

背面カバーを取り外すとさらに樹脂製のカバーが組み込まれていました。
やはり大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載するだけあって、強度面などは慎重な設計がなされている印象を受けます。

背面の内蓋も取り外す必要がありますので、周辺のビスを取り外します。
こちらも一般的なプラスビスのため、作業性は良好なのが嬉しいところ。

無事に背面の内蓋が取り外し出来ました。

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前面カバーを取り外してみる

続いて前面のカバーを取り外しします。
こちらはカバーの裏が基板となっていますので、それらを破損させない為にも、より慎重な作業が必要です。

パカッと全面カバーが開きました。
基板がむき出しとなっており、全面カバーにも金属パーツが装着されています。
それらが接触してショートしないように十分気を付けるようにしましょう。

この状態で前面の基板を撮影してみました。
基本的には操作や表示等を担当する基板となっており、大容量のパワー系デバイス等は見当たりません。

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充電用DCジャックの状態をチェック!

疑惑の充電用DCジャックです。
先ほどの基板に直接接続されている雰囲気ですね。
DCジャック自身は強固に固定されており対基板間でグラつき等は皆無です。

しかしDCプラグを差し込んでみると右にグラグラ。。。

左にグラグラ。。。
DCジャック自体の内部が劣化してグラつきが発生しているような感じですね。

おおよその原因は見えてきたので、まずは基板を取り外してDCジャックが交換可能であるか確認してみましょう。

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前面の基板を取り外してみる

基板を固定しているビスを外すと基板が少し浮くので、AC100V出力のコネクタを外します。

続いて12Vシガーソケット出力のコネクタを外します。
これで全面カバーと本体が完全に分離可能となります。

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前面カバーを取り外すと作業性が良くなりますね。
特に12Vシガーソケットが金属製のため、基板との接触に気を遣う必要が無くなるだけでも安心です。

つづいて基板周辺のビスを取り外しましょう。
この辺りの構造は背面部と同じですね。

ビスを外すとアルミケースとポータブル電源本体が分離して、前面にスライドさせることが可能となります。

本体部を完全に取り出しました。
この状態では基板とバッテリーが接続されているので、まだまだ油断は禁物です。

取り出した本体部を裏返してみました。
左部分にギボシ端子のようなものが見えていますね。

やはりギボシ端子で正解でした。
バッテリーやメイン基板と全面の基板を接続しているケーブルのようです。

配線を引っ張り出してみました。
黒、赤、橙の3色となっています。

ひとまずすべての端子を取り外しました。
自動車の電装関係を触られる方にはなじみの深い端子ですね。
コネクタを外したので前面の基板を触れる際にも安全な状態になりました。

ここで内部のメイン基板を見てみましょう。
やはりパワー系のデバイスという事で大型のコンデンサ、スイッチングトランス、コイル、ヒートシンクなどが目立ちますね。

ヒートシンクの下にはIR社の 「IRGB15B60KD」が搭載されています。
600V/15AのIGBTで、100VのAC出力に使われていると思われます。

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充電用DCジャックが交換可能かチェックしてみた

では全面の基板に戻りましょう。
基板の裏側をチェックすると先ほどの充電端子の接続部が見えました。
DCジャック自体はしっかりと固定された状態だったので、残念ながら半田不良という訳ではなさそうです。

同じDCジャックを探してみましたが、なかなか発見することが出来ませんでした。
そこで、物は試しということで、変換ケーブルを購入して解体してみる事に。

見た感じはAnker power houseの物と同様に見えます。

コネクタを並べて比較写真を撮ってみました。
「やはり!」ですね。

試しにAnker power house付属のACアダプタを差し込んでみました。
サイズはぴったりで、しっかりと差し込むことができました。
なので、このコネクタを解体して部品を取り出してみたいと思います。

ニッパで周辺の樹脂を切り裂きながらコネクタを丸裸にしてみました。
このコネクタ自体は3極の物ですが、変換コネクタとしては2極のみ使用されていました。
ちなみに、このコネクタは3極のうち外側2極が電源用、真ん中のピンは通信用として使う物です。
ところがAnker power houseでは通信用ピンに電源を流すという誤った使い方をしています。
今回はそこを本来の姿に改造せず、元合った通りに直してみます。

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充電用DCジャックを交換して修理する

今回使用する半田コテはHAKKO社のFX-100です。
一般的なコテと違いIH方式で駆動されているため、コテ先の温度回復力が驚異的に高く、今回のようなパワー系基板も得意とする製品です。

まずは元あったハンダを溶かして、不良コネクタを除去します。
スルーホールのグランドパターンに接続されているため、熱容量の大きなコテ先を使うようにしましょう。

続いて先ほどの変換ケーブルから取り出したコネクタを取り付けてハンダ付けします。

念には念を入れる形で、前面からも周辺部を追いハンダしておきました。
これで応力がかかったとしても、標準状態より強度を確保することができます。

このような結線状態としました。(純正通りです)
ちなみに右側に見えている端子を未接続としていますが、これは他のACアダプタを誤って接続した際に壊さないようにするためです。本来はこの端子を使って給電すべきですが、なぜかAnker power houseは中央の通信ピンから給電する仕様となっています。

修理後は確実に充電動作が作動するようになったので、安心して使う事が可能となりました。

パススルー充電も問題なく動作しており、簡易UPSといった用途にも活用できそうですね。

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Anker power house修理のまとめ

今回は充電不良となったAnker power houseを修理してみました。
amazon等のレビューでも充電不良になったといった書き込みを見かける事がありますが、おそらく同様の症状になっていると思われます。
個人的には、通信用ピンから給電する仕様となっているところに問題があり、発熱等によってコネクタが破壊に至るのではないかと思っています。
修理自体はそれほど難しいものではありませんので、同様の症状で困っている方は是非参考にしていただれけばと思います。

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