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テプラ修理 テプラPRO SR750をDIY修理する。

DIY

2021年最初の記事は実用記事ということで、テプラの修理記事をお届けしたいと思います。
今回の内容ですが、落下故障という内容で同一機種を2台入手したので、それをDIY修理してみました。
落下による故障ということはメーカー保証も使えません。
しかし2021年時点で現行機種となっているモデルなので何としても修理して復活させたい!!

お正月企画はDIYによる修理を楽しむという内容の記事になっております。

テプラPRO SR750の修理手順

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故障の症状を確認する

今回の故障はSR750が2台となっていますが、いずれも落下による故障ということになっています。
電源投入や文字入力はOK、ただし印字した際にテープが動かないという状況です。
モーターの動作音自体は聞こえているので、おそらくギア等の駆動系に障害が出たものと推測されます。

機種はSR750で4~36mmのテープ幅に対応しており、またPCとのUSB接続も可能とまだまだ現役で使える機種です。


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状況確認のため分解してみる

裏面のビスを取り外しする

まずは状況確認を兼ねて本体を分解してみましょう。
本体裏面に6本のビスがあるので、プラスドライバーで取り外しましょう。  

ビスは一般的なプラスビスなので、特に特殊工具等を用意する必要はありません。

電池カバーを取り外してみましたが、大きく変形している箇所があり、落下時の衝撃の大きさを物語っています。

トップカバーを開いてみた

トップカバーを少し開いてみました。
しかし、メイン基板と多くのケーブルが接続されており、勢いよく開くと切断してしまう可能性があります。
慎重にトップカバーを開きつつ、4本のケーブルを取り外しましょう。

トップカバーを開いて4本のケーブルを取り外した状態です。

メイン基板とトップカバーを接続するケーブルは4本になります。

赤青ケーブル角丸仕上げモーター駆動用
白ケーブル角丸仕上げモーターの位置検出用
フレキケーブル太キーボード用
フレキケーブル細液晶ディスプレイ用

モーター部分から延びるケーブルは非常に細いものなので、誤って切断しないように注意しましょう。

またモーター駆動用と位置検出用のケーブルは同じ形のコネクタとなっているので、もともと差し込まれていた位置を忘れず記録しておきましょう。
「TR_MOT」と書かれたものがモーター駆動用、「TR_SW」と書かれたものが位置検出用になります。
またキーボード用のフレキシブルケーブルは引っ張るだけで取り外し可能ですが、液晶ディスプレイ用はラッチ機構があるので慎重に取り外ししましょう。

分解したついでに内部をチェック

機器自体がプリンタということもあり、メイン基板はCPUやモータードライバーを中心に構成されています。

6417705V-SH3と書かれたチップは、CPUでRenesasSH3を搭載しています。

JS28F128と書かれたチップは、128MbitのフラッシュメモリでJS28F128M29EWHを搭載しています。

MTD1121Fと書かれたチップは、新電元工業株式会社のモータードライバです。

DB6226FPと書かれたチップは、ROHMのドライバICです。

印字ユニット部分を取り外す

印字ユニット部分はメンテナンス等を考慮して取り外しできるように設計されているようです。
まずは印字ユニット部分の周辺をチェックしてみましょう。

印字ユニットから延びるケーブルを取り外します。
カラーのケーブルはモーター駆動用、白いケーブルはカバー検出センサーです。

続いてこちらの2つのケーブルもコネクタを取り外します。

フレキシブルーケーブルは印字ヘッドから延びているものです。
コネクタにラッチがあるので、ラッチを緩めてケーブルを取り外しましょう。

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カートリッジ部分のセンサーはコネクタではなく、基板に直接半田付けされています。
そのため、こちら側の取り外しは不可能です。

しかし、印字ユニット部にはめ込みで固定されているセンサー基板を取り外せばOKです☆

続いて印字ユニットを固定している4本のビスを外しましょう。

こちらも通常のプラスビスなので特殊な工具は不要です。

ここまでの作業で印字ユニットを取り外す事が出来ました♪
なにやら印字ユニットを振るとカラカラと不穏な音が。。。

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印字ユニットを修理する

表面をチェック

ここまでの作業で印字ユニットを取り外す事が出来ました。
早速ですが印字ユニットを外観からチェックしてみましょう。
表面を見る限りでは特に問題があるようには感じません。

裏面をチェック

しかし、印字ユニットを裏返してみると、ギアが外れて踊っている状態でした。
おそらく落下の衝撃でギアが外れてしまったのでしょう。

モータを取り外しする

外れたギアを発見したので、まずは修理のためにモーターを取り外しましょう。
ここも普通のプラスビスなので取り外しは簡単です。

モーターを取り外すと、外れたギアが出てきました。
カム機構のような部品とギアが1枚となっています。折れたような痕跡もないので、簡単に修理できそうな予感です♪

外れたギアを組み付ける

このカムのような部品は以下のような特徴を持った部品となっています。
・シャフトに嚙みこむ
・ギアを保持する
・バネ機構を持つ

元の状態は不明ですが、周辺のギアなどを確認しながら想像で組み立ててみましょう。
まずはモーターのシャフトに噛みこませるようにカム機構を固定しました。

続いて出てきたギアをカム機構のシャフトにはめ込みます。
向きは裏表どちらでもギアに接触するため、この段階では正しい向きは不明です。

印字ユニットに仮付けして確認した結果、こちらの向きが正解でした。
裏表を逆に組み込むとバネ機構の影響で大きな歯面で駆動されてしまい、印刷結果が伸びた状態になるという不具合が発生しますので、向きを間違えないようにしてください。

無事に印字ユニットに組み込む事が出来ました。
先ほどのバネ機構はテープが無理やり引っ張られた際に駆動系を保護するためのクラッチを構成しています。ギアにテンションがかかった状態で組み込む必要があるので注意してください。

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修理完了→印字テストOK

実際にテスト印字をしてみました。
ギア部分に関しては適当に組み付けただけですが、印字品質も良好でギア部分の修理は無事に完了しました。

今回は奇跡的に2台とも同じ症状の故障だったので、同手順で復活させることが出来ました。
機器としては非常に丈夫に作られており、通常使用ではなかなか故障しないのではないかと感じます。
どちらも落下による故障ということですが、うまく力が逃げてくれて駆動部品の破壊等に至らなかったことが幸いして簡単に修理することが出来ました。

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修理のまとめ

今回は比較的簡単な修理方法で、どこの家庭にもあるプラスドライバーが1本あれば修理完了するような内容でした。
このように簡単に修理できてしまう場合もあるということです。故障して捨てようと考える前に、まず分解してみる事が大切ですね。

オフィス等で頻繁に利用される事も想定されており、機器としては耐久性や信頼性が高い機器だと感じました。他の個所には問題がなく、まだまだ現役で使えそうです☆

おまけ

分解ついでに修理は関係ない写真も撮影したので、一部を掲載しておきます。

写真はカッターモジュール部ですが、ハサミのような動作でカットする仕組みになっていました。
テープを切るだけであれば高信頼、高耐久と考えられますね。

駆動部分には樹脂製のギアが多数使用されていますが、ギア自体の割れ等は見当たりませんでした。
国内メーカー製の製品全般に言える事ですが、海外製品とは違い樹脂パーツ自体の耐久性も非常に高いですね。




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