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QNAP TVS-873e NASを分解してみた。(メモリ増設&10GbE増設)

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QNAP TVS-873eを購入したら最初にやること!という訳で、分解ついでにメモリ増設とIntel 10GbE LANカードの増設をやってみました。
ちなみに10GbE LANカードはIntel製のX540-T2やX550-T2が使えるという事もお伝えできればと思います。

では、早速作業を始めましょう!

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TVS-873e NASのカバーを取り外す

QNAP社のNASはメモリ増設などを考慮してユーザーによる分解が可能な構造となっていますので、通常の手順で分解作業を進めます。
まずは本体裏側のプラスビスを外します。

パカッとカバーが外れました。
基本的に金属筐体となっているので取り外しはビスを外すだけの簡単なものです。
上から見ると内部はスッキリとした印象ですね。

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搭載電源ユニットはDELTA製

まず目に飛び込んでくるのは電源ユニットでしょうか。
詳細をチェックしてみましょう。
初期搭載の電源は「DELTA ELECTORONICS」のDPS-250AB-44Dです。
仕様は以下のようになっています。

入力 AC100-240 / 3.5A
総合出力 250W
+3.3V出力 6A
+5V出力 12A
+12V出力 17A
+5VSB出力 2A
-12V出力 0.5A

電気仕様的にはATXですが、コネクタなどはQNAPのNAS向けになっていますので、故障交換などの際はQNAP指定の物を購入するように注意しましょう。
電源からの出力ケーブルは2本に分かれており、片方はメインボードの方に接続されています。

そしてもう1本はSATA HDDが接続されるバックプレーンに接続されています。

バックプレーンへの配線を横から見た図です。
ケーブルの色は黒・赤・黄色の3色のみで、グランド、+5V、+12VとHDDに必要な電圧のみが供給されています。

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メインボードをチェックしてみる

続いてメインボードの様子をチェックしてみましょう。
まず目に飛び込んでくるのは大型の冷却ファン機構ですね。

搭載されるファンは「EVERFLOW」製のT126010BUです。
DC12V/0.25Aの小型ファンで、直径60mm/厚み10mmとなっています。
搭載CPUはRX-421BDでTDPは35Wなので、この程度のファンで十分でしょう。

こちらはCPUファン真下の部分です。
CPU近辺には「導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ」が採用されており、機器の信頼性を高めています。

なお、オーディオ出力端子については別基板となっており、小基板の方にDACやアンプ等のチップが搭載されていました。

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M.2スロットは温度センサー付き!

このNASはM.2 2280/2260 SATA 6Gb/sに対応したスロットが2基搭載されています。
用途はRAIDキャッシュ用となりますが、読み書き頻度によっては温度上昇が発生するので、それらを監視するためのサーミスタが各スロットに装備されていました。
今回はSSDキャッシュを利用しない運用とします。

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メモリ規格はDDR4-2400 SO-DIMM

標準搭載のメモリはDDR4のノートPC用メモリとなっていました。
容量は4Gが2枚で8GBとなっています。流石に容量が少なすぎるので拡張しておきたいと思います。

標準搭載メモリは「Kingston」のDDR4-2400 SO-DIMMでした。

今回は入手しやすいものということで、「Transcend」の「TS1GSH64V4B」を2枚購入してみました。

チップは両面合わせて8チップ仕様の8GB DDR4-2400 SO-DIMMでランクは1Rx8となります。

標準搭載のメモリと合わせて、合計4枚(4GB+4GB+8GB+8GB = 24GB)としました。
普通のファイルサーバとして使うだけであれば24GBもあれば十分でしょう。

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Intel製の10GbE LANカードを装着する

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QNAPのNASではPCIeスロットを搭載したモデルに関しては、QNAP純正の10GbE LANカードが販売されています。
それを使う方が多いかと思いますが、実はIntel製のX540-T2やX550-T2が利用可能です。
今回は信頼性を考慮してIntel製の10GbE LANカードを使ってみたいと思います。

PICeスロットは2基装備されており、どちらに装着しても問題ありません。
スロット形状はx8レーンとなっています。

Intel X540-T2を装着する

そこで、今回はPCIe x8レーンでPCIe v2.1 (5.0 GT/s)に対応した「X540-T2」を用意しました。

10GbEカードを装着しようとPCIeスロットを眺めてみると・・・
スロット自体はx8レーン仕様ですが、内部のピンはx4レーン分しか用意されていません。
カード自体は正常に認識して利用可能でしたが、これでは速度が半減してしまいます💦

Intel X550-T2を装着する

という訳で、PCIe x4レーン仕様の「X550-T2」を用意しました。
こちらであれば、x4レーンでPCIe v3.0 (8.0 GT/s)に対応しているので速度面でも問題ありません。

NASに取り付けてみました。
冷却ファンが真横にあるので冷却面でも申し分ありませんね。よく考えられたエアフロー構造になっているように感じます。

今回は10GbE LANカードを効率的に冷却するため、NAS本体の冷却ファンに近い方に取り付けしました。

10GbE LANカード装着後に本体上から見てみました。
TVS-873eは内部空間に余裕があることが分かりますね。エアフロー面でも有利に働くでしょう。

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SATA HDDを8台取り付けてみる

今回は大容量を目指すという事で12TBのHDDを8台取り付けてみたいと思います。
HDDを8台取り付けると、かなりの重量になりますので作業や設置場所には十分注意しましょう。



今回購入したHDDです。
TOSHIBA製のNM07ACA12Tとなります。
NAS用としては比較的安価なので大量導入が必要な場合はおススメのHDDです。

HDDに関する主観ですが、ここ数年ではTOSHIBA=HITACHI>WesternDigital>Seagateと個人的に評価しています。年間数十台程度しか購入していませんが、私の利用環境では故障率から上記のようなイメージです。

HDDを8台並べてみるとなかなか壮観ですね(^^
写真を撮影した後はしっかりと取り付けしました。

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電源投入してみた

では電源を投入してみましょう。
今回はメモリ増設と10GbE LANを増設しているので正常に動作するか試す機会にもなりますね。

まず電源投入するとNAS内蔵の液晶に文字が表示されました。
「BIOS:QY03AR22 / Checking Memory」と表示されています。

続いて、「Powering UP / All Disks ..」の表示とともにHDDのスピンアップが始まりました。
QNAP製のNASは各HDDを順番に起動してくれるので、スピンアップ消費電力が高いHDDを複数装着しても問題はありません。

「Loading Driver / Please Wait…」の表示。
この時間が長いのですが、気長に待ちましょう。

最後にモデルNoが表示され起動完了となりました。
ちなみに液晶表示は「MODEL NAME TVS-873」となっています。

LANケーブル等を接続していない状態なので、各LANインターフェイスのIPアドレスは「0.0.0.0」となっています。
DHCP環境などの場合は自動割り当てされたIPアドレスが表示されます。

TVS-873eはLAN4ポートの機種ですが、10GbE LANが正常に認識されておりLAN6まで表示されました。
今まで数台のQNAP製NASを利用していますが、Intel製のX540-T2もしくはX550-T2を使用していますが、認識しないことはありませんでした。(QNAP製の10GbEを購入したことが無いです)

ひとまずすべて正常に認識して動作していることが確認できました!

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TVS-873e分解のまとめ!

今回はTS-853Proからの買い替えという事でTVS-873eを購入してみました。
本体サイズが大型化したというのが第一印象でしたが、実際に分解してみると内部構造的にもゆとりのある設計となっているように感じました。
また背面の排気ファンが大型化していること、内部空間が広くなっている事からエアフローの改善も期待できます。旧機種のような手狭感がないので新筐体はなかなか好印象です。
またPCIeやM.2スロットなどに温度センサーが装備されており、熱対策という点では一歩進んだのではないでしょうか。
次回は実際にストレージをセットアップしてベンチマーク等をやってみたいと思います。

 

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