NETGEARと言えば、格安なのに永久保証が売りのメーカーですが、永久保証を受けるためには購入後30日以内に保証登録をする必要があります。
保証登録には購入日を証明する書類をアップロードしたり、少々面倒な手続きが必要だったりします。
今回故障したHUBも保証登録せず使っていた物だったので、DIYで分解修理してみることにしました。
JGS516PEとは
家電量販店等でもよく見かけるようになったNETGEAR社の製品。とくにPoE対応製品としては比較的安価かつ永久保証ということもあり、防犯カメラ用としても人気がありますね。
JGS516PEはPoE8ポート、通常LAN8ポートの計16ポートを搭載したHUBとしては非常に安価で購入しやすいものです。
ライフタイムワランティとは
NETGEAR社の製品は基本的に購入すれば一生保証を受けられるライフタイムワランティとなっています。
最近ではリミテッドライフタイムワランティという制限付きに改悪された製品もありますが、この価格で1年以上の保証があるのは魅力的ですね。
JGS516PEの故障状況をチェック
今回故障したJGS516PEです。
家庭用として考えればサイズが大きいと感じる人もいるかもしれませんが、PoE HUBとしては一般的なサイズかと思います。
黄色く塗られた左ポートがPoE対応ポート、右側が通常ポートとなります。
HUBとしては普通に動作していましたが、FAN LEDがオレンジ点灯していたのを見て故障に気づきました。
インジケーターはPower、Fan、PoE Maxの3種類です。
Fanがオレンジ点灯していますが、HUBとしては正常動作しており、若干ファンノイズが大きくなったかな?と感じる程度。
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故障原因調査のため分解してみた
一般的なプラスドライバーがあれば分解は容易ですね。
今回は保証も切れているので、分解してみることに。
保証登録していればメーカーに依頼するところですが、すでに量販店で購入したレシートなども捨ててしまっているので、サクッと分解しちゃいましょう。
ビスは全部で7本だけでした。
簡単に分解できるので作業性はよさそうですね。
故障の原因と思われるファンに到達。
外観上は問題なく焼けたような形跡はありませんが、手で羽根を回してみると若干重いように感じます。
搭載されるファンはDELTA製のEFB0412MDとなっており、PC等で一般的な4cmの12VDCファンです。
ちなみにコネクタは3線式で回転パルス付きの物になります。
本来であればファンを新品に交換すればよいのですが、まずはファンを修理してみる方法を試してみることにしましょう。
この手のファンは裏側のシールをはがすと軸受け部分にアクセスすることが可能です。
シールを再使用することを前提に、精密なカッターナイフ等でキレイに剥がしてみましょう。
キレイにシールを剥がすことが出来ました。ノリ残りもなく良い感じです☆
軸受け部分をチェックしてみると、グリスが乾ききっているように感じますね。
修理に使うのはグリススプレーだけ
今回はグリススプレーを使って、軸受け部分の潤滑を取り戻してみます。
このグリススプレーは最初は液状で乾くと粘度の高いグリス状になるものです。
このようにファンの軸受け部分を狙って少量だけスプレーを吹きます。
しばらくするとこのようにグリス状になりました。
これだけ粘度が高いと液だれすることも無く、長期間にわたり油分を保持してくれます。
潤滑スプレーといえばCRC556のような物が有名ですが、粘度が低いものだとすぐにドライアップしてしまうので、このような用途にはグリスタイプを使うように注意しましょう。
軸受け部分の周囲にグリスが飛んでいない事を確認してから、封印シールを元に戻しましょう。
修理の結果はバッチリ!
再び組み立てて電源を投入してみました。
数分後にはFan LEDがオレンジに点灯していたものが点灯しなくなりました。
ファンの回転音がゴロゴロしていたのも解消してバッチリ修理完了です。
NETGEAR製HUB修理のまとめ
いかがだったでしょうか?
今回は冷却ファンの軸受けがドライアップして回転が遅くなりエラー検出しているという故障でした。
幸いなことに冷却ファンの軸受けが焼き付く前だったので、グリスアップだけで修理完了となりました。
もし冷却ファンの軸受けが焼き付いている場合は、グリスアップではなくファン自体の交換をお勧めします。ただし、HUBはファンの回転速度をモニタリングしているので元と同程度の回転速度のファンを選ぶようにしましょう。
今回のようなファン故障は比較的メジャーな故障内容だと思います。
他の製品の修理にも応用可能だと思いますので、すぐに捨ててしまう前にグリスアップを試してみてはいかがでしょうか。
NETGEAR製HUBの改善(おまけ)
JGS516PEに関してですが、製品設計としてファン自体のノイズ(コギング感)が強いように感じます。
これはPWM制御が荒いのではないか?という答えにたどり着きました。
これではどんなに静音性の高いファンに交換してもある程度ノイズが残ってしまいそうですね。
そこで冷却ファンの電源端子に電解コンデンサを追加してみました。
すると目に見えて冷却ファンのゴロゴロ感(コギング感)が減りました。これはコンデンサにパルスがチャージされて平滑化された結果です。
この状態だとファン自体の音は非常に静かになりますが、Fan LEDがエラー点灯してしまいます。
またファン駆動回路への負担もあるかもしれません。
それらを気にしないのであればコンデンサを取り付けて運用するのもアリだと思います。
まず分解では25v 10uFのコンデンサを取り付けた状態で1年以上使っていますが特にトラブルは発生していません。
自己責任となりますが、家庭利用でノイズが気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
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