Archer C80の内部写真です。
4本のアンテナには実際にケーブルが接続されており、ダミーアンテナではありませんでした(笑)
高性能感の演出ではなくしっかりとアンテナとして機能しているようです。
ちなみにメイン基板はツメやビス等で固定されておらず、ただ置いてあるだけ、外側パネルで挟んであるだけといった固定方法です。格安機種といことでこの辺りもコストを意識した設計となっていますね。
ちなみに無線アンテナ部分は一般的なMHF4規格ではなく、同軸ケーブルが直接半田付けされていました。
2.4GHzと5GHzでアンテナは5本あるので、MHF4コネクタを廃止することでコストダウンが図られているようです。
部品コスト+差し込み工数 > 半田付け工数 という事ですね。
搭載されるWi-fiチップを見てみましょう。
一つ目はMEDIATEK社の「MT7762N」です。
802.11ac用のチップで3トランシーバー、3レシーバのMIMO仕様となっており、最大1300Mbpsに対応します。
もう一方はMEDIATEK社の「MT7761N」です。
802.11bgn用のチップで3トランシーバー、3レシーバのMIMO仕様となっており、最大600Mbpsに対応します。
ルーターのCPUにはTP-LINKロゴの入った「P1900BN」というチップが搭載されていました。
スイッチングHUBのチップに小型のヒートシンクが貼り付けされていました。
あまり興味がなかったので、今回はヒートシンクを剥がしてチップを調査していません。
そして基板裏面にはシールド板を兼ねた?アルミ製の放熱板が固定されていました。
これが放熱板と判断した理由は、このシリコングリスです。
なかなか乱暴な感じですが、基板裏面にシリコングリスが塗られて、そのままアルミ板が固定してあります。
シリコングリスは2ヵ所から漏れ出ており、品質的には適当な組み立て作業の印象を受けますね。
ちなみにWi-Fiチップ側にはシールド板は存在せず、シールド板用に設けられたランドだけが見えていました。
アンテナは各チップから3本ずつ出ていますが、そのうちの1本は左右のチップで共用しているようです。
このように中央部の白いチップで合成して1本のアンテナで処理する形となっています。
この辺りは、もう少し価格帯が上の機種であれば別アンテナとなっているのでしょう。
実際に基板パターンも別アンテナ構成に対応できるようになっていました。
パルストランスは、JWDのDG36001Gが搭載されていました。
コンデンサはAiSHi製となっており、電源部も含めて国産メーカー部品の姿は見当たりません。
ステータスLEDは長いリードが特徴的で、良くあるチップLEDにレンズを組み合わせるような構成ではありません。この辺りも超低価格品ならではの設計といったところでしょうか。
tp-link格安ルーターのまとめ
今回は格安で販売されている、Archer C80を分解してみました。
内部はコネクタ類を徹底排除していたり、国産部品を使用していないなど、安価になる設計が積極的にされている印象を受けました。
国内メーカーが「日本製コンデンサ搭載!」などと謳っているのは対照的ですね。
Wi-Fiなどは次々と新しい通信規格が生まれてくるので、メインのルーターは高スペックなモノを選定しつつ、無線部だけこのような安価なルーターを買い替えながら使うというのも良いのではないでしょうか。
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