先日購入した「USB TYPE-C接続のモバイルディスプレイ」ですが、搭載チップに関する問い合わせがありましたので、実際に分解してみました。
amazonで非常に安価に売られているものですが、内部構造はどのようになっているのでしょうか。
早速分解してみることに
まずは裏面のキャリングケースを固定しているビスを2本外しましょう。
後は4隅から隙間を広げてハメ合いを外していくだけです。
パカッと簡単に開くことが出来ました。
内部は液晶パネル側の部品と小さな基板が搭載されたバックパネルで構成されています。
搭載される液晶パネルはAUO製
分解してまずチェックしたのは搭載される液晶パネルです。
AUO製のB156HAN02.1が搭載されていました。
スペック的には1920 x 1080 FHD LTPSパネルとなっています。
amazonでも同じパネルが販売されているので、万一の故障でも簡単に修理できそうですね。
小型ながらもスピーカーを搭載!
バックパネル側には薄型のスピーカーが搭載されています。
CR-V142という型式のようですが、詳細仕様は不明です。
メイン基板は省スペース設計
では、いよいよモバイルディスプレイのメイン基板をチェックしてみましょう。
液晶パネルと比較すると、非常にコンパクトな基板がバックパネルに搭載されていました。
ちなみに、操作スイッチとUSB TYPE-Bホスト端子は別基板となっています。
故障頻度が高そうな部分は別基板になっており、改造などの点でも有利かもしれません☆
ドライバチップはRTD2556を搭載
基板の中央部には「REALTEK」社製の「RTD2556」が搭載されていました。
基本的なスペックをまとめてみました。
モバイルディスプレイに最適なチップといったところでしょうか。
コネクタは実装されていないものの、チップ自身はアナログRGBにも対応しています。
最大解像度 | 1920 x 1080 @ 60Hz |
LCDインターフェイス | eDPパネルインターフェイス対応 |
入力インターフェイス | DP1.2 / HDMI1.4 / DVI / Analog RGB |
コンテンツ保護 | HDCP1.4 / HDCP2.2 |
オーディオ出力 | IIS Digital / SPDIF |
電源電圧 | 3.3V |
電源チップはUSB PowerDelivery対応
メイン基板の電源部をチェックしてみました。
搭載チップは「SOUTHCHIP SEMICONDUCTOR」の「SC8903QDHR」が搭載されていました。
USB PD規格にも対応した2.7V~22Vの非常に幅広い電源電圧に対応したチップとなっています。
USB3.1 TYPE-CコントローラーはFL7102を搭載
USB3.1 TYPE-C PD3.0に対応したコントローラーとして「FRESCO LOGIC」の「FL7102-2Q0」が搭載されていました。
このコントローラーICは2ポートのUSB PD3.0 TYPE-Cをサポートしており、柔軟な接続性はこのコントローラーのおかげですね。
その近くには2組のMOSFETが並んでいました。
こちらは「ALPHA & OMEGA SEMICONDUCTOR」の「AO4407A」です。
オーディオアンプはEG micro製
オーディオアンプは「EG micro」の「EG8405」が搭載されていました。
データシートが漢字で書かれていますが、小型の2chアンプICです。
入出力端子は強度も十分!
この手のデバイスでは入出力コネクタの強度なども重要な要素となってきます。
今回分解したモバイルディスプレイでは各種端子類は基板にガッチリと固定されており、現時点で強度面の不安はありません。
毎日持ち歩いて使うような用途であれば紫外線UV硬化樹脂などで固めて、さらなる強度を求めても良いかもしれませんね。
ちなみに液晶パネルと接続されるインターフェイスはeDPとなっているので、同規格の物であれば違う液晶に交換することも可能かもしれませんね。
モバイルディスプレイを分解したまとめ
今回はモバイルディスプレイを分解してみましたが、非常にコンパクトなメイン基板と液晶パネルが搭載されているだけのシンプルな構成という事が分かりました。
メイン基板に搭載されるチップも最新規格に対応したチップがそれぞれ搭載されており、今後数年にわたり使えるような製品に仕上がっていると思います。
モバイルディスプレイはニンテンドースイッチなどでの運用例も多いようですが、改めて分解してみることで、USB TYPE-CやPD規格に対応した様々なチップの存在を知ることが出来ました。
コメント