まだ数回しか使用していないPowerseed 11000mAhモバイルバッテリですが、充電中に発煙する事故が発生しました。
国内メーカー品であれば、このような状況では保証期間に関係なくサポートされると思いますが、謎のメーカー品なので解体処分が妥当でしょう。
まずは商品の紹介から。
Powerseed 11000mAhです。一般的なUSBタイプのモバイルバッテリーですね。
こちらが事故直後の様子です。
充電中に突然発煙したので、ケーブルを引き抜こうとしたのですが、MicroUSBコネクタごと抜け落ちました。
かなりの高温になっていたのでしょうか。
外装プラスチックも熱変形しています。。。
スルッと、出てきたコネクタ部分です。
恐ろしいことに半田が解けてはがれています。
例えば一般的な鉛フリー半田である、SN100Cを例にとってみると、融点は227℃となっています。
つまりそれ以上の高温状態となったのでしょう。
本体記載のスペックです。
バッテリ容量や入力電流、出力電流など記載があります。
この製品は2ポートで合計3.1A取れるように書いてありますが、実際には2Aを超えると出力停止するゴミ仕様です。
さて発煙状況を確認するため、本体を分解してみましょう。
分解はiPhone修理などにつかう樹脂製工具をスキマに挟んでパキパキと開けていきました。
解体途中に転がってきたダイオード。
この子も高温で半田がはがれてしまったようですね。しかもコネクタとは違い外力がかかる部品ではないので、相当な高温にさらされたと考えられます。
ふたが半分開きました。
紫のリチウムイオンバッテリーが見えていますね。
疑惑の基板です。
燃えた側は反対側のようですので、さらに分解を進めましょう。
反対側のカバーも取り外しました。
バッテリーは5本となっています。
5本のバッテリという事でどのような結線になっているのかチェックしてみましょう。
なるほど、5本ともパラレル接続になっていますね。
これでは個別の充電制御など期待できるはずもありませんね。
また温度サーミスタも未装着で安全に関しては特段配慮されていないようです。
火災の危険を取り除くため、不要なハーネス類をカットして絶縁しておきました。
その後、バッテリを放電させたので安心して廃棄することができそうです。
では燃えた基盤をみてみましょう。
マイコンと思しき半導体は表面が削られており、型式等は判別不能です。
もう一つは、DTM4626でした。Din-Tek社のMOSFETですね。
出力端子ですが、だれが見ても個別出力で合計3.1Aと思ってしまう表記です。
しかしながらUSB端子の結線を確認するとどちらのポートもパラレル接続。。。
データ線の結線状態も同様になっていますね。消費者を騙すのはやめてほしいところですが、安物買いの。。。といったところでしょう。
USBコネクタ付近です。
USBコネクタとダイオードが解け落ちた個所になります。
ちなみにUSBコネクタは溶着していますが、この状態では短絡していない事は確認済みなので、基板側の故障と考えてよいでしょう。
もし同じバッテリーを利用されている方は、発煙・火災等の恐れがあることを理解したうえで利用するように注意してください!
皆様もモバイルバッテリーを購入される際は、値段に踊らされず、安心できるメーカーのものを購入するようにしてくださいね。
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