PR

3Dプリンタ PRN3D EVOLUTION KITのPCBベースを改造してみた

3Dプリンタ

PRN3DにEVOLUTION KITを組み付けて3Dプリントを楽しんでいましたが、標準状態からY軸を中心に改造している事もあり、本来通りの取り付けが出来ない状態となっていました。

今回は改造した機体に合わせた、PRN3D EVOLUTION KITの組み込みを考察してみましょう。

スポンサーリンク

使いやすい基板や液晶画面の配置とは

本来の設計ではPRN3Dの手前側に基板や液晶画面が配置されますが、ワイドになったY軸と干渉してしまう結果に。
操作性等を考えれば、少なくとも操作パネルだけは手前にあるのが最善でしょう。

スポンサーリンク

PRN3D EVOLUTION KITの基板に合わせたケースを設計する

今回は3Dプリンタの手前側に基板と液晶画面を配置する方向で基板ケースを再設計してみました。
設計に際しては以下の点を考慮しました。

3Dプリンタ本体からの飛び出しを最小限とする

これはコンパクトで高性能な機器を目指す中で譲れない部分ですね。
基板ケースや液晶画面が飛び出さない設計とするのは最低要件だと考えました。

基板ケースに基板固定以外の機能を持たせる

基板ケースとしては基板が正しく格納されれば機能は果たします。
ただそれだけではなく、他の機能を盛り込むことが出来れば付加価値のある分、さらにコンパクトサイズと考えることもできますね。

メンテナンス性を犠牲にしない

見た目が美しくても、日常のメンテナンスを犠牲にしないというのは重要なポイントですね。
これは住みにくいデザイナー住宅などを想像してもらえるとわかりやすいかもしれませんね(笑)

以上のような事を考えながら基板ケースを設計してみました。

スポンサーリンク

基板ベースの設計ポイント

今回はX軸方向に飛び出さない、Y軸に干渉しないという最低要件を満たしながらも以下の機能を付加価値として持たせてみました。

各種ケーブル類を保護する

3Dプリンタの制御基板にはモーターコントロールのケーブルや、各種センサーなど非常に多くの配線が接続されます。
それらが断線しないように保護する機能は必須でしょう。

本体剛性アップに寄与する形状とする

3Dプリンタは各部の剛性が非常に重要です。
基板格納ケースだけではなく、各アルミフレームの接合を補助する形状としました。

スポンサーリンク

完成した設計図面


今回はこのような形状で図面を引いてみました。
早速3Dプリントしてみましょう。

スポンサーリンク

プリント完了した部品☆

これはプリント完了直後の姿となりますが、このような形状でプリント完了しました。
こちらはベース部分で基板を格納する箇所の部品となります。
この部品とは別にカバー部分の部品も続いてプリントしました。

両方の部品を並べてみました。
強度を持たせたい部品に関しては、厚みを増すことで対応しました。

ちなみにカバー部の部品はこのようなツメの形状を設けました。

スポンサーリンク

また相方の基板ケース部分にも逆形状のツメを設けています。

スポンサーリンク

基板ケースはスライドロック構造!

今回こだわったところは、ドライバーレスでケースが開け閉め出来るという構造です。

この両方のツメは、スライドロック構造となっており、スムースな開閉で日常のメンテナンスをサポートします。

ケースを重ねて右にスライドさせると、小気味よい感触とともにカバーが固定されます。
クリアランスは必要最小限なので、プリント中の振動でカバーが開く事はありません☆

スポンサーリンク

ACアダプタは標準プラグでの着脱式を採用!

PRN3DにEVOLUTION KITを組み付ける場合、標準仕様ではACアダプタのプラグ部分を切断して、端子ブロックにビス止めする必要があります。

しかしACプラグをカットしてしまうと、元の制御基板に戻すことも出来ず、また装置の可搬性なども悪くなりますので、標準のプラグを活かす方向としました。

DCジャックには10A近い電流が流れるので、シンガトロンエンターブライズ製の大電流対応DCジャックを選びました。
モノは2DC-G213-D42です。国内メーカーではこのような大電流タイプは生産していないと思います。ちょっとレアなアイテムです!

グランド側端子はこのように周囲から挟み込むタイプで大電流を安定して受け止めてくれます。
ノートPCなどで使われるようなタイプのDCジャックになっていますね。

このDCジャックをケースに組み込むことで、標準の制御基板と変わらぬ可搬性を維持しています。

ACアダプタが着脱可能なので、持ち運びの際も安心☆

スポンサーリンク

実際に組み込んでみた!

先ほどのケースをPRN3Dに取り付けて、配線を接続してみました。
Y軸やZ軸のステッピングモーターはケース下部から配線し、その他はケース上部から配線するような構造です。
モータードライバーのヒートシンク上に配線が来ないように注意しながら引き回ししましょう。

ケースに設けたアーチ部分はゴム足を避けるための構造となっています。

実際にカバーを装着してみましたが、すっきりとした外観になりました。
放熱のためのスリットも大きめに確保しており、モータードライバの発熱にも十分対応可能です。

液晶画面も取り付けてみました。
Y軸との干渉を避けつつ使いやすい位置に配置することが出来ました。

スポンサーリンク

PRN3D EVOLUTION KIT改造のまとめ

今回はPRN3D EVOLUTION KITを改造後のPRN3Dに組み込む方法を模索した結果を紹介しました。
剛性アップなどで補強を加えていたり、その程度の改造でも標準部品が干渉して組み込み出来ないという事態も起こり得ます。
そんな時でも、サッと図面を引いて部品を作れる3Dプリンタですので、皆さん工夫して組付けしてもらえればと思います。

コメント