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RAVPowerジャンプスターター 8000mAhを分解する。

レビュー

RAVPowerジャンプスターターを買ってみました。
今まで車にはブースターケーブルを積んでいましたが、結局のところ救援車がいない状況では役に立たず。
というわけで、最近よく見かけるモバイルバッテリータイプのモノを探してみました。
ジャンプスタートといえば100Aを超える大電流が流れることから、ノーブランド品には抵抗があります。

今回は信頼できるメーカーということで、RAVPower社のRP-PB007を選びました。
パッケージ自体は通常のモバイルバッテリーと同じようなデザイン。

一般的なモバイルバッテリーとの違いは、この表記ですね。
8000mAh CAR JUMP STARTER と書かれています。ジャンプスタート機能が売りのようです。

パッケージを開けてみましょう。
エメラルドグリーンが美しい小分けの箱が登場しました。

さらにその箱を開けると、モバイルバッテリーが登場しました。
これだけ見ればジャンプスターター機能があるのか!?と思ってしまいますね。

もう一つの小箱を開けると、ブースターケーブルやポーチが出てきました。
これを見ればジャンプスターターと一目でわかりますね(^^

本体スペックをおさらいしましょう。
Model:RP-PB007
Battery Capacity:8000mAh/29.6Wh
Input:DC 5V 2A
Quick charge 2.0 Output:DC 5V/2.4A,9V/2A
Starting Current:150A
Peak Current:300A

バッテリ容量は8000mAhと比較的大きなもので、バッテリーの充電は2Aの高速充電に対応。
さらにUSB出力はQuick charge 2.0にも対応しているので、対応機器の急速充電も可能となっています。
ジャンプスターターの性能としては12V150Aまで。ピークは300Aという性能です。

USB出力コネクターはUSB3.0を連想させるブルーのもの。
Quick chage 2.0対応というのがうれしいですね。

さらに、LEDランプを内蔵。明るさ調整やSOS点滅などいろいろなモードがあります。
ジャンプスターターとして使う時にもLEDランプは重宝しそうですね☆

JUMPER CABLEと書かれたゴムキャップ。
この奥にジャンプスターター用のコネクタが隠れています。

ゴムキャップを開けてみました。
大電流が流せそうな大きなコネクタが姿を現しました。
金メッキ厚も十分といった風合いのコネクタです。

ここに接続されるジャンパーケーブル。
ケーブル根元には黒い箱が装備されており、ブーストボタンやLEDが並びます。

reverseは赤いLEDが内蔵されており、逆接続時にLEDとブザー音で知らせてくれます。
correctは緑のLEDが内蔵されており、正常接続時に点灯します。
BOOSTボタンは完全に上がってしまったバッテリに対して、初期充電を行うボタン。

裏面には利用方法が記載されています。
英語表記ですが、簡単な単語ばかり並んでいるので問題ないでしょう。

ジャンパーケーブル根元のコネクタ。
こちらも金メッキの高級そうなコネクタになっています。
ちなみにコネクタ真ん中の四角い穴も接点になっています。仕様上は3Pコネクタですね。

ここでモバイルバッテリー本体のサイズを計測してみました。
横幅は83mm

高さは171mm

厚みは18mm

マニュアルにも仕様が記載されています。
充電時間は3~4時間と大容量バッテリとしては標準的なモノ。
これをジャンプスターター時は数秒で使い切るのですからなかなか恐ろしい代物。

マニュアルは基本的に日本語表記なので安心ですね。

ジャンプスターターとしての利用方法も日本語とイラストで詳細に記載されています。

接続順序もこのマニュアルを見れば一目瞭然♪

またトラブル時の対処方法まで記載されているので、安心して使えそうな感じです。

ここでふとバッテリー本体に目をやると、六角ビスを発見しました♪

というわけで、いつも愛用している精密ドライバーセットの登場です。
あらゆる作業に対応できる便利なもの。HDDの分解などにも重宝しますね。

今回は六角ビットをセレクト。

精密ドライバーを差し込んで、くるくる回すだけ。

計6本のビスが外れました。

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すると特に接着等もなく、パカッとフタが開きました♪
やはり目につくのは極太の配線ですね!

ジャンプスターター用のコネクタにはCP-3000と書かれた青いコネクタを装備。

コネクタの先はリチウムバッテリーに直結されています。
モバイルバッテリー内にはヒューズ等の保護系統は装備されていません。

USB出力部分を見てみましょう。
最近のモバイルバッテリーとしては若干部品点数が多め。

USB出力部のチップには「fitipower」の「FP6600Qを採用。
Qualcomm® QC 2.0/3.0両対応のチップとなっていますが、本バッテリでは2.0対応機能のみ利用されているようです。

もう一つ目立つICは「HOLTEK」の「HT66F0185」を搭載。
EEPROM搭載の組み込み向けマイコンですね。

基板裏面を見てみましょう。
コイルとICが並んでいますね。充電用の昇圧回路でしょうか。
コイルの横には「NCEPOWER」の「NCE30P25S」が装着されていました。
P-Channel Power MOSFETですね。

このモバイルバッテリーはジャンプスタート時の監視機能なのか、バッテリーにも多数の配線が伸びています。

太い線はジャンプスタート用ですが、それ以外に赤、白、黒と複数伸びていますね。

さらにバッテリーにはサーミスタも装備されていました。
最近のモバイルバッテリーではサーミスタを省略した製品が多いですが、しっかりと外付けしているのは安心感がありますね。

さらに基板表面からも配線が一本。
CP-3000というコネクタに伸びていますので、ジャンプスターター用の信号線となっているようです。

となると、先ほどの黄色い線の行き先が気になりますね。
このようにジャンパーケーブルの根元には黒い箱が付いているので、この中身も調査したいところ。

ジャンプスタート用ということで、強力なワニ口もついています。
バネもなかなか強力で、しっかりと電流を流せそうな感じ。

ケーブルには10AWGの極太線を採用。
長さが短いことも相まって、電力供給用としては十分ではないでしょうか。

先ほどの根元の黒い箱がやっぱり気になりますよね。
という訳で、様々な工具を用意してみました。

格闘すること数分。。。
何とか先が見えてきました(^^

苦労の末、パカッと開きました。
このような作業をする際は、手をケガしないように工具の持ち方、力を入れる向きなど、しっかりと考えてからおこないましょう。

開いたというよりは割ったに近い断面(笑)

黒いボックスの内部に格納されていた基板です。
黒い線は直結、赤い線は何か表面のデバイスを経由しているようです。

基板を裏返してみました。
赤い線から伸びているデバイスは大容量のリレーでした。

搭載される大容量リレーは自動車用グレードのもの。
hongfa」の「HFV7-P」です。
リレー本体には70Aと書かれていますが、モータのような誘導負荷には150Aまで耐えられるようです。

続いて基板を眺めてみましょう。
逆接続時の警告ブザーやLEDなどが目立ちますね。

唯一搭載されているICはは「HOLTEK」の「HT66F004」を搭載。
本体側と似通ったチップが採用されていますね。

リレー付近には逆接続検出用の回路が装備されていました。

その他にはスイッチや三端子レギュレータなど、一般的な部品で構成されていました。

基板内部を通過する配線の半田状況をみてみましょう。
しっかりと大量の半田で処理されていますね。

リレー側も同様に大量の半田で接続されています。
これであれば接触不良や電流不足による不具合も皆無でしょう。

この黒い箱にはリレーによる安全回路が組み込まれていました。

恐ろしいことですが、世の中にこのような安全装置が存在しないジャンプスターターも流通しているそうです。
皆様もジャンプスターターを購入される際は、価格だけではなく、安全性という面からも製品選びをされてみることをお勧めします。

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